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2013/06/16

Bioshock(バイオショック)レビュー

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 飛行機事故の生存者であるプレイヤーはプラスミドと呼ばれる特殊能力を駆使しながら、ラプチャーと呼ばれる海底都市を一人孤独に進んでいく。

 クリア時間10時間。1960年代のアメリカを背景にしているらしく、どこからか聞こえてくるモダンな音楽や調度品、映像の見せ方などはプレイヤーを実際にその空間にいるかのように錯覚させてくれる。

至る所に置かれたモダンなポスター


 敵の大半は異形化した元人間で、理性は存在しておらず、狂気じみた言葉を叫びながら襲ってくる様はホラーテイストな雰囲気と合致して、分かっていても驚くシーンが多かった。



 重厚かつ濃密なストーリーは、説明臭さを孕んでおらず、知らない間に世界観やライアンという暴君の思想、ラプチャーの問題といった状況を刷り込んでくれる。その巧みさたるや一本の小説を読んでいるかのようだった。トップレベルのシナリオと言っても過言ではないだろう。

 世界観の没入感を深めるためのギミックとしてホラーは確かに有効だった。しかし、それ以上に没入感を与えてくれたのは各マップに配置された録音機だ。
 敵がいつ来るか分からない心細い状況の中、人間の息吹を感じさせるテープの声は小さなマップを大きなものに見せ、声を吹き込んだ人間の思想、そこで過去に何が合ったのかを想像させる。その不気味さの相乗効果は計り知れない。

テープは時に狂気を強調させる


 戦闘の魅力も大きい。
 プラスミドと呼ばれる超能力はそれぞれ敵にダメージを与えるだけのもではなく、環境にも影響をもたらす。氷で覆われた道を炎のプラスミドで溶かしたり、雷のプラスミドで水場に潜む敵を一網打尽にしたりと、単純な特殊能力として存在するものではないという部分は面白い。
 また、パッシブスキル(常に効果があるスキル)としてトニックと呼ばれるものがあり、これらを装着することでプレイキャラクターを戦闘に特化させたり、アイテム集めに特化させたりと自分の望む方向に成長させることができる。これが実質的なレベルアップといえる。



 武器も基本的な種類を揃えており、文字通り自由な戦闘をプレイできた。
 持ち運べる弾薬が少ない理由は、緊張感を強いるためのギミックであるのと、他の武器も使ってほしいという制作側の意図かもしれないが、あらゆるものを販売している自動販売機が道すがら、いくつもあるので成功はしていない。
 自販機を始めとする機械類はハッキングというミニゲームをクリアすることで、味方につけたり、警報を止めたりといろいろな恩恵をプレイヤーに与えてくれる。

ハッキングパズルは買収することで回避することもできる


 緊張感のあるシナリオと良質な雰囲気を持つマップ、テンポよく武器と能力を切り替えながら戦う戦闘はゲームとしてよくまとまっており、大変に面白い。
 しかし、気になる部分も多い。キャラクターの死に対するペナルティは一切無く、何度死亡したとしてもスポーンポイントから即座に復活し、手負いの敵に全快の状況で挑めてしまう。
 また、ある程度まで進んでしまうと、どうしても敵の姿や演出に慣れてしまう。自分の強さも相まって、敵をただの障害物としか思えなくなってしまうのは問題だと思った。中ボスのような立ち位置の強力な敵もいるにはいるが、 これも同様だ。

 最初の閉塞感や緊張があってこそのカタルシスだとは思うが、万能すぎるというのも大きな課題だろう。

何度もお世話になるターレット


 ホラーテイストが若干強く、人を選ぶゲームだ。シナリオもイベントも不気味なものが多い。ストーリーの魅力が大きいのでクリア後に、何度もプレイするというゲームではないのかもしれない。しかし、間違いなく名作のひとつに数えられる作品だ。



没入感:非常に高い
ストーリー:非常に高い
グラフィック:やや低い
戦闘の魅力:高い
リプレイ性:非常に低い
PC負荷:やや高い
問題:中盤以降の強すぎるプレイキャラクターと変わらず貧弱な敵。

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