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2014/07/25


 目覚めると“カラミティ”という現象によって、少年の世界はいっぺんしていた。人の存在はなく、どの町も滅びていた。少年は生存者を探しながら、突如として滅びた空中都市Bastionを元に戻すため、世界をさまよう。

 見下ろし型のアクションRPG。11時間ほど。
 全体の流れとしては、ステージの奥深くに設置されたコアという素材を入手し、都市の機能を復帰させながら、シナリオを進んでいくという形になる。
 音楽もさることながら、 バスティオンはあらゆるものが美しいゲームだ。一つ一つ細かくデザインされた小さなキューブの連なりが、道を進むごとに地上から湧き上がり、マップを形成していく様子は刺激的であり、新鮮で、不思議だった。
 ステージごとに色使いや、雰囲気がいっぺんするというのも面白い。使い回しがあるのかもしれないが、それを意識することは最後までなかった。

歩いているだけで楽しいという感覚を覚えたのは久しぶりかもしれない。


 戦闘も分かりやすく、選んだ二つの武器とひとつの奥義を手に、敵クリーチャーとひたすら殴り合うというものに終始する。当初は戦闘の単純さや代わり映えのないクリーチャーのワンパターンな行動に、やや気落ちしたものだったが、戦闘報酬をアップさせる代わりに、クリーチャーの行動や能力を劇的に強化するというシステムも存在しているので、戦闘に飽きるということはなかった。
 使い勝手が全く異なる豊富な武器も戦闘を飽きさせないためのデザインであり、それらをアップグレードできるシステムは義務的になりがちな戦いに積極性を与えてくれる要素でもあった。

劇的にその効果を変えるアップグレード


 クリーチャーもそれなりに種類があり、ボスキャラクターのような存在もおり、チャレンジブルなミニゲームもある。ストーリィも、なかなかに読ませる内容だ。
 有志による日本語化パッチも公開されているため、 ゲームに慣れたユーザーにも、初めてゲームに触れるというユーザーにも、薦められるタイトルと言える。

 しかし、問題もある。
 ストーリィ上、重要となってくる“カラミティ”を始めとするさまざまな用語は、ほぼ説明なく、戦闘中であろうと、流れていく。それは周回済みのプレイヤーを対象としているかのように、知っている前提で、何の振り返りもなく進んでいくため、ゲーム中に何かを指示する場面があった時、何を指しているのか分からないということが起きやすい。ストーリィをじっくりと楽しみたいといったプレイヤーにも、やや辛いものがあるだろう。
 現状、解決方法はネットで用語やシナリオの詳細を調べるか、周回プレイをするほかない。

 次点の問題としては操作性の悪さが挙げられる。
 キーボードとマウスでのプレイでは、精密性こそあるものの、移動と戦闘に難があり、コントローラーでのプレイでは戦闘と移動こそスムーズであるが、精密性に欠けている。
 ゲーム上の仕様として、道を外れると落下し、少なからずダメージを追うため、移動に難がある場合、特にストレスになりやすく、また精密性を必要とする機会がゲーム上、いくつか存在しており、それは当然のことながら精密性に欠けているコントローラーでは、ほぼ“クリア不可能”だった。どちらか片方のみの使用でクリアというのは並々ならぬ努力が必要だろう。
 こちらの解決策といえばキーボードとマウスのプレイを極めるか、コントローラーの切り替えをその都度、行えばいい……と口にするのは簡単だが、それはもはやゲーム(遊戯)としてのあり方を超えている。

ミニゲームは精密性なしではクリアできない


 以上の二点を踏まえてもなお、バスティオンは面白い。美しくも不思議で、魅力に溢れている。個人的にはデータを引き継いでプレイというシステムがあっても、滅多なことではプレイしないが、このゲームだけはまたプレイしてみたいと思う魅力があった。
 価格的にも手頃なのが嬉しい。

  
没入感:普通
ストーリー:普通
グラフィック:高い
戦闘の魅力:やや高い
リプレイ性:普通
PC負荷:低い
問題:操作性と知っていることを前提のストーリィ。
総合:7/10

(日本語化ページはこちら)
 

2014/07/08


 シングルプレイ専用のゲームをたくさんのプレイヤーと共有できたなら。そんな思いを実現させようとしたCOOP化MODの歴史は深く、今回レビューするObsidianConflict(以下OC)も、その思いを現実化させたMODのひとつになる。

悪ふざけも少なくない


 OCはHalf-life2を多人数でプレイするためのMODパッケージだ。
 通常のシングルストーリーを多人数で楽しむことも可能だが、基本的にはパッケージングされたファンメイドのマップをプレイするという流れになる。
 マップの最大参加人数はサーバーによって違うものの、多くは10人以上であることが多い。

 アドベンチャーテイスト溢れるマップから、FPSライクなマップ、馬鹿馬鹿しいミニゲームに溢れたマップなど多種多様なステージが用意されている


 作成されたマップはどれもシングルクリアは難しいものが多く、また敵の数や設定も通常のものとは違うため、必然的に協力プレイを余儀なくされることが多い。
 難易度ゆえに、死ぬことは多いものの、死によるペナルティは存在せず、すぐに復帰できるテンポの良さは、長いマップを継続する上で非常に重要だった。
 たくさんのプレイヤーとゲーム内のボイスチャットで連絡を取りながら右往左往し、死んでしまったことを笑える独特の“お祭り感”はストレスが少なく、心地よい。
 NPCに殺されているというよりも、マップないしマップの製作者に殺されているという感覚が強かった。
 問題点といえば流石に古臭くなったテクスチャ周りと、敵キャラクターの貧弱さだろうか。

HL2のCOOPMODでお馴染みの味方の傷を治す回復キットやももちろん導入されている。


 Seven Co-opを始めとする多人数参加型MODは画期的であるのと同時に、常にパソコンのスペックや回線速度との兼ね合いを気にさせられていたが、現在は特に気にする必要もないだろう。
 導入にはHL2と無料のTeamFortress2があればプレイできるすることができる、とのことだが、隅々まで問題なく遊びたいのであれば、CS:S、EP1、EP2、TDM等のインスールは必要かもしれない。
 未だにアクティブレイヤーも多く、日本鯖もわずかながら存在している。もしもHL2を持っていて遊んだことないというユーザーがいるのなら、是非ともプレイしてもらいたい。


没入感:低い
ストーリー:評価しない
グラフィック:低い
戦闘の魅力:低い
リプレイ性:やや高い
PC負荷:低い
問題:全体の安っぽさと変わり映えのしない敵の動き。
総合:6/10

(公式ページはこちら)

 
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