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2013/06/15

Don't Starve(ドントスターブ)レビュー

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 科学者ウィルソンは悪魔によって不気味な無人島へと飛ばされてしまった、という場面から始まる。

 全体を把握するのに15時間。サードパーソンビューのローグライクゲーム。
 ローグライクといえば日本ではトルネコやシレンに代表されるジャンルだが、こちらはリアルタイムで物事が進んでいくため、それらとは切り離したゲームだと考えるべきだろう。
 プレイ感としてはVanpool社のエンドネシアやMOONに近い。

 内容は非常に分かりやすく、単純だ。
 正気を奪う暗闇から逃れるために木を切り倒し、火を起こし、身を守るために武器を作る。飢えを凌ぐために動物を捕まえたり、保存食を作る。
 複雑な操作はなく、マウスだけで事足りてしまう硬派なゲーム感は、最近の作品としては珍しい。 そんなことを思いながら、10時間ほどこのゲームに費やした。それでも10%も内容に触れられていないだろう。


必要な物をそろえていくと気づけば多くのことができるようになっている


 このゲームを要約してしまえば「理不尽な世界で、原始的なことしかできなかったキャラクターが、次第に文明人らしく効率的に進歩していく」の一言だが、これが思った以上に面白い。
 斧を持ち、その日暮らしに生きてたはずのキャラクターが気がつけば、槍を持ち、鎧に身を包んで、罠を使い、食料の保存を覚えていた。農業めいた手段によって効率的に生き始める頃には、人類の歴史を垣間見ているような錯覚すらあった。

 いい意味でも、悪い意味でも、強烈かつ理不尽な難易度は常に緊張感をもたらしてくれるため、ダレるということがあまりない。
 一日が6分ほどで終わるというのもテンポがいい。ティム・バートン風のデザインも新鮮味がある。

失敗に見えるできごとにも実は意味がある


 このゲームの問題を上げるとすれば、やはりそれは「戦闘の単調さ」と「目的がないこと」だろう。
 クリックだけの代わり映えのしない戦闘は残念という他ない。レベルアップという概念が存在しないため、避けられない状況を除き、積極的に戦闘をする意味がなかった。もう一つ防御なり、必殺技なりのアクションがあるだけでも違うと明らかに分かるだけに、惜しいという印象が強い。クラフティングの複雑な楽しさが、その点を余計に際立出せている。

 またリプレイ性は高いものの、ただ生き残るだけのゴールが見えないサバイバルというものは、どうしても単調になりがちだ。試行錯誤している時は楽しいものの、食料供給等が安定した段階に入ってしまうと、その点は加速度的に強まってくる。
 そこで恐れるべきは理不尽な災害か、己の好奇心による未知な領域への憧れだけだろう。

季節が変わるとあらゆるものが変わる


 面白いことには面白いが、総合的にはどうしても“惜しい”という印象が拭えない。隠しダンジョンがあったり、マジックアイテムがあったり、なんてことのないアイテムも使い方によっては想像以上の物語りをプレイヤーに見せてくれる。そういった意味では、このゲームは、このゲームにしかない価値があるのだろう。
 負荷は低く、ゲームの内容は300MBに満たない。価格も手頃だ。
 近頃の親切で優しいゲームに飽き足りた人には是非ともプレイしてもらいたい。


没入感:低い
ストーリー:――
グラフィック:高い
戦闘の魅力:非常に低い
リプレイ性:非常に高い
PC負荷:低い
問題:戦闘の単調さと目的のなさ。
総合:6/10

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