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2013/07/25


 ロンドンを中心に起きたバイオハザードを解決するため、プレイヤーは特殊部隊の隊員となって自体の解決に当たるというストーリー。

 ゾンビもののFPSでCOOPというと、まず先に思い浮かぶのはL4Dだが、感触としてはまったくの別物だった。あちらがスポーツシュータを基本とした瞬発力を必要とするゲームなら、こちらは技術力や立ち回りを必要とするテクニカルなシュータだろう。

 最大参加人数は6人。基本的な流れとしてはゆっくりとにじり寄ってくる敵を倒して、ポイントを稼ぎ、次のWAVEが来るまでの短い時間の中、手持ちのポイントと最大重量を考慮しながら武器や防具を揃えるという形になる。
 シューターというよりも、どちらかというとTD(タワーディフェンス)やRPGといった方が正しいのかもしれない。

武器の豊富さもKFの魅力だ


 敵の種類は分かりやすい雑魚から、非常に固いもの、範囲攻撃をしてくるもの、攻撃を加えると猛スピードで迫ってくるタイプなど、さまざまな種類の敵が存在しているが、どれも共通して頭部以外の攻撃ではなかなか倒れない。ヘッドショットを意識しなければ、最弱の敵ですら、相手をするのは骨を折ることになるだろう。
 ゆえに必然的にプレイヤーは頭部を狙わなくてはならないのだが、レティクル(照準)といったものがこのゲームには存在しないため、その位置を見極める“慣れ”が求められる。高難易度では必須のスキルといってもいい。
 このテクニックの上達が、KFで自分が成長していることを示してくれる一種のパラメーターのようなもので、連続してキルを稼いだ時に発生するスローモーションは、自分の成長を確認する上で大いに役立っている。

全体にかかるスローモーションは更なるキルを可能にさせてくれる


  敵を倒すことはもちろんポイントを稼ぐためだけではなく、Perk(クラス)の強化にも繋がっている。
 それぞれPerkの成長条件は違うのだが、どのPerkを使用していたとしても、特定のPerkの条件にあった行動をすれば、現在使用しているもの以外の経験値も上がっていくというシステムなので戦い方を固定しなくてはならいということは特にない。
 特定のPerkによって装備できる武器が変わるといったこともなく、クラスによって変わるものはダメージボーナスの種類と武器の値段が主な部分になる。

有志の日本語化ファイルによって日本語化したPerkの一覧


 テクニカルなシューターであり、自分の行動や死がその後の成長やチームの進退に関わるため、当初は非常に緊張感のあるゲームではないかと思ったが、通常の難易度の範囲ではそういったことはなく、ゲームは終始穏やかだった。
 ポイントというシステムのため、どのプレイヤーも積極的に戦闘を行なっているが、どの難易度であっても敵が強力なため、独占するということもできず、上手くチームの戦いというものが機能している点は素晴らしい。火力不足のプレイヤーに誰かがポイントを分け与えて、武器を購入させるという文化も上手く組み込まれたギミックなのだろう。

 ラストWAVEに現れるボスも冗談のように強く、油断していると一瞬で殺されてしまう緊張感も全体をまとめさせる上でうまく機能している。

コラボレーションやイベントも未だに精力的でマップも多い


 どのシステムも非常にうまく合致し、機能しているものの、COOPとしてはまだまだ甘い印象を受ける。
 広いフィールドの中、孤立したプレイヤーは真っ先に死ぬ対象ではあるが、かといって群れて行動しているプレイヤー達が協力をしているとかといえば、そんなことはなく、あくまで各々が自分の役割を演じているだけに過ぎない。協力なくしては乗り越えられないという状況がほぼ存在せず、同じ場所に違うプレイヤーがいるだけという感覚が拭えなかった。
 確かにそこには情報や場面の同期はあるものの、「助けている」という感覚と「助けられている」という感覚はどうにも薄く、共にゲームをしたプレイヤーの印象を感じることは最後までなかった。

 自分のプレイキャラクターの死が自分だけで完結しているという点はKFの弱点でもあり、魅力でもある。誰かに気兼ねなくプレイをするという楽しみ方はゲームとしての本来の楽しみ方なのだろう。


没入感:普通
ストーリー:低い
グラフィック:やや低い
戦闘の魅力:高い
リプレイ性:非常に高い
PC負荷:普通
問題:グラフィックとCOOPの甘さ。
総合:8/10

2013/07/17



 記憶をなくした男は自分の過去を思い返す。最初の“仕事”は一本の電話から始まった、という場面から始まる。

 クリア時間は5時間ほど。TPS型のアクションゲーム。アクションゲームとはいいつつも、その実態はパズルゲームに近い。
 敵対するマフィアの射撃精度は非常に高く、プレイキャラクターはたったの一発でも攻撃を食らうと死んでしまう。そんな中、銃声で敵を引きつける駆け引きや、常に次の一手を意識させられる内容にはかなり興奮させられた。想像していた以上に音楽もよい。
 若干、ゴア表現が強いのでその部分は人を選ぶかもしれない。

死ぬ時はかなりあっさりと死ぬ


 プレイキャラクターと敵の大きな違いは、プレイキャラクターにはマスクという特殊能力がある点だけだろう。初期装備のニワトリのものを除き、これらのマスクはそれぞれユニークな能力を備えており、犬に襲われなくなる犬型のマスク、扉を開けた時に敵がその場にいれば殺すことができる馬型のマスク、弾丸が増えるものや、シークレットなどそれぞれ豊かな特徴を揃えている。
 武器も種類が豊富であるものの、基本的な分類がアサルトライフルとショットガン、近接武器の三つに分けられる程度の違いしかなく、性能差はあまりない。これは武器によって、ゲームの難易度が大幅に変わってしまうことを恐れたゆえの措置だろう。

 ハイスコアを狙うことで、上記の武器やマスクがアンロックされていくというリプレイ性も意識されている。

上から見下ろすゲームなのでこの顔を正面から見ることはない


 基本的に戦闘は“手ぶら”から始まり、素手で殺すか、敵の武器を奪うか、拾ったものを使うかなどをして行うことになる。敵は常に定位置ではあるものの、落ちているアイテムはランダムなため、若干の運要素が絡む。
 敵に倒されたとしてもスコアを除き(それもほぼないといっていいが)リスクになるようなことはなく、一秒後には開始位置に戻っているというテンポの良さも好印象に思えた。

 こういったインディーズゲームにしてはしっかりしたストーリーラインにも感嘆する。シンプルながらも謎のままでは終わらせないあのエンディングの見せ方は未だ多くの人間の関心を掴んで離さないことだろう。

意味深なことを語る“彼ら”


 価格的にも手頃で、セールの常連でもある。ちょっとした息抜きにプレイをして、気がつけば数時間経っていたという経験をさせてくれるゲームだ。万人に向けてオススメをしたい。


没入感:普通
ストーリー:やや高い
グラフィック:低い
戦闘の魅力:高い
リプレイ性:高い
PC負荷:非常に低い
問題:グラフィックと武器の特色のなさ。
総合:
7/10

2013/07/16




 友人とのTRPG中、一息入れるためにトイレに向かった主人公はそこで不思議な世界に転送されてしまうという場面から始まる。

 クリア時間30時間。2D横スクロールアクションのゲーム。懐かしいテイストのゲームだった。かといって古臭いわけでもなく、現代のゲームとして立派に成立している。

 ストーリーは若干コアなギーク方面に偏っているものの、ローカライズされた日本語のセンスは素晴らしく、ジョークに富んでいて退屈さが一切なかった。ボリュームもある。
 武器や装備品は種類が豊富で、それぞれ特色を持っている。またエッセンスというアイテムを消費することで使用できる魔法はどれも独特な味をもっており、勝ち目のなさそうな状況を何度も救ってくれた。
 全体を通して難易度は高く、緊張感がある。

特定の年代のオタクにはたまらないネタが多い


 敵との戦いは純粋な殴り合いか弓による遠距離戦が基本となるものの、攻略方法を考えれば無傷で進むことも不可能でない。そういったプレイヤーの思考を逆手に取った罠もあり、見事にハマった時は悔しいというよりも、流石という気持ちのほうが強かった。
 攻略のヒントというものがほぼ存在しないので、詰まってしまうとかなりの時間を消費してしまうかもしれない。

弓は必須といってもいい


 キャラクターの強化には、レベルが上がるごとに付与されるスキルポイントをそれぞれのスキルに割り振ることで、武器の装備や魔法の習得が可能となる。しかし、このスキルポイントが非常に少なく、 常に一定なため、間違えた振り分けをしてしまうと後々辛い戦いを強いられることになってしまう点は問題のように感じた。レベルの上がる速度がもう少し早いか、倍のポイントがあっても良かったと思う。

 豊富にある武器も装備するためには前途のスキルポイントを考慮せねばならず、必然的に特定の武器を使い続けるということになりやすい。そのため、プレイヤーにアイテムを売らせ、貨幣を与えるということを除けば、それほど種類が必要だったとは思えない。
 また素材を集めることでポーション等を調合することができるが、特定のマップでしか作ることができず、レシピを覚えるのにスキルポイントが必要なため、最初のうちは厳しい展開を強いられることが多かった。

どれを伸ばしていくかはプレイヤー次第だが慎重に選ぶ必要がある


 操作性は悪く、コントローラーは必須だ。 キーボードでプレイするには少し厳しいものがあるだろう。またショートカットキーが豊富に設定できるものの、戦闘は常に忙しく、慣れないユーザーでは操作とショートカットキーを同時に意識して戦うのは難しいように思った。

 特筆すべき点は完璧なローカライズに裏打ちされたストーリーと、こういったゲームには珍しいCOOPを搭載している部分だろうか。COOPは最大3人までと多く感じられるものの、マルチプレイ用のマップはシングルに増して鬼畜な要素を多分に含んでいるため、問題とは感じなかった。
 ロビーのUI(ユーザーインターフェース)がややこしいのはこれからに期待したい。

COOPは協力を意識しなければクリアできない場面が多い


 まだまだバグはあり、操作性等の細かな問題は多い。しかし、シナリオとゲームのバランスは非常によくできているので、高い難易度であってもくじけない心をもっている百戦錬磨のプレイヤーには是非ともプレイしてもらいたい。


没入感:普通
ストーリー:高い
グラフィック:低い
戦闘の魅力:普通
リプレイ性:低い
PC負荷:非常に低い
問題:操作性の悪さと成長システム。
総合:
6.5/10

2013/07/11


 ギャングスターとして圧倒的な支持を得ているセインツはある日、巨大組織に目をつけられることとなる。組織は絶望的な状況にセインツを追い詰め、上納金を納める服従か、死を選べと詰め寄る。そんな中、セインツのボスが取った選択は彼らに牙を剥くことだった。

 クリア時間15時間。TPSのクライムアクションゲーム。このゲームもGrand Theft Auto(グランドセフトオート)シリーズの大ヒットを受けて、巷に溢れたクローンのひとつではあるが、未だに生き残り、売れ続けている理由は“ガラパゴス化”とでも表現すべき独自進化が理由なのだろう。

キャラクターメイキングはいつでもできる上に、性別すらも変えられる


 基本的なシステムはやはりグランドセフトオート と変わらない。銃の挙動や車の動き、キャラクターや街も既視感のあるものだった。
 ただ確実にグランドセフトオートシリーズとは自由度の方向性が違う。グランドセフトオートという作品は計算され、忠実に作られた世界にプレイヤーが“支配される”のに対して、こちらは計算され、忠実に作られた世界でプレイヤーが“支配する”のだ。
 
 それ故にグランドセフトオートシリーズ特有、ひいては箱庭ゲームと呼ばれるジャンルにありがちな息苦しさや堅苦しさといったものが一切なく、ただ純粋にゲームとしての馬鹿馬鹿しさを楽しめる作りになっている。

刺青から着ぐるみ、中世の服装までなんでも揃っている

 車に乗るためにフロントガラスを突き破ったり、大げさな格闘技で敵を粉砕したり、馬鹿馬鹿しい衣装の数々や、本格的なキャラクターメイキングだったりと、プレイヤーの良識や良心といったものを粉砕するための仕組みは上げればキリがない。
 ストーリーやキャラクターも ブラックユーモアに溢れており、コミカルで緊張がなかった。
 そんなゲームを友人とCOOPで遊んだ楽しさは計り知れないものだ。

キャラクターはゲーム内で稼いだお金を使うことで強化できる


 しかし、基本的な面白さは押さえているものの、 常に同じ事を繰り返しているような感覚はどうしても抜けない。町中で銃を乱射するのも、車で人々を跳ね飛ばすのも、楽しめるのは最初だけで、すぐに起きることが予測できてしまい、飽きてしまう。
 戦いや動きに爽快感がないのこともひとつの問題だろう。
 
 ゲームモードも複数あり、ボリュームも豊富で、自由度は高い。DLCもうんざりような数が販売されていて、最大人数2名で遊べるCOOPは確かな面白さを持っている。しかし、 何かひとつ物足りなさを感じるゲームだった。


没入感:普通
ストーリー:普通
グラフィック:普通
戦闘の魅力:普通
リプレイ性:普通
PC負荷:高い
問題:爽快感の欠如と予想可能なあらゆるできごと。
総合:
6/10

 
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