ゾンビパニックが発生し、一つの街が生ける屍に飲み込まれた。主人公のニック・ラモスは仲間や生存者と脱出手段を模索しながら、不可解なパンデミックの真相に近づいていく。
プレイ時間は42時間ほど。サードパーソンビューのゾンビアクション。
オープンワールドの広いマップの中で超人じみた主人公を操作しながら、武器を作成し、ゾンビをなぎ倒し、定められたミッションをクリアしていくという流れになる。
圧倒されるようなゾンビの群れは健在だ |
DEAD RISING3は、カプコンから発売された人気アクションゲーム、DEAD RISINGシリーズの続編、その三部作目に当たる。大きな変更点はないものの、今作でも武器同士の合成システムは継続して存在しているばかりか、その範囲は車両同士の合成まで広がっている。また、コンボはその場で行うことができ、前作と比べ実用性の高いものが増えた。
レシピと素材が揃っていればコンボはどこでも行える |
一度、作成したコンボ武器やコンボ車両は、セーフポイントでいつでも引き出せるように変わった点も嬉しい変更点だ。
ストーリーもサプライズが用意されているし、それなりに小気味よく、B級ライクにまとめられている。
グラフィックの大幅な進歩は流石、次世代機向けに作られたゲームだと納得ができるほどだった。
おふざけ衣装もあいかわらず |
妥当な進化をしているといえる一方、俗にいう“おつかい”を強制される頻度は増した。端的にいえばストーリーの大半は移動がゲームを占めているといえるだろう。
その移動距離は長く、常に一本道で、ショートカットのようなものが存在しないため、ひんぱんに移動をさせられる展開は苦痛だった。
主人公をどれほど強化しようとも、どれほど ストーリーを進めようともその不便さは変わらず、初期状態での車両のもろさの印象もあってか、移動はどうしてもストレスを感じやすい。
いろいろ工夫はされているが今ひとつ何かが足りない |
このゲームの楽しさやポイントは間違いなく「ゾンビを倒すこと」にあり、「ゾンビの巣食う町を徘徊する」という部分にある。しかし、そうであるならば積極的にそれ以外のストレスを(レベルアップごとなど段階的であっても)減らすべきだった。
主人公の強化も「なんとなく強くなった」という印象よりも劇的に、かつ目に見えて変化があれば、またゲーム全体の印象は違ったものになっただろう。
根本的な楽しさは変わっていない。シリーズ通しての面白さは 安定感がある。しかし、それは村や町が少しずつ衰退していってるのと同じだ。どれだけ便利になっても、根本は古いままで、死につつある。
DLCは衣装とアイテム、そしてサイドストーリーが追加される |
DLCを含め 、ストーリーを通してプレイをしてみたが、再びプレイしたいとは思えなかった。フレンドを含めたCOOPプレイも可能だが、ゲーム性に変化はなく、やはり上記の印象は変わらない。
価格的にもやや高めで、要求スペックも高いので、購入を検討しているのなら、良くも悪くも「変わっていないこと」と「変わらないこと」を念頭に入れておくべきだろう。
没入感:低い
ストーリー:低い
グラフィック:高い
戦闘の魅力:やや普通
リプレイ性:非常に低い
PC負荷:非常に高い
問題:移動の多さ、最初から最後まで変わらないゲーム感。
総合:6/10